土地選びは周辺環境が大事!購入の際にチェックするべき項目を現役宅建士が解説

この記事では、後悔しない土地選びについて現役宅建士の私が解説します。

選定の基準として、価格や面積などが大きいと思いますが、周辺環境もとても大事な要因の1つです。

特に周辺環境はその日の天候や季節、時間によって様々な変化する部分があるため、見逃しがちです。

多くの方が一生に一度の大きな買い物になると思いますので、少しでも参考になれば幸いです。

少しでも後悔しない買い物にするために必ずチェックしよう

最低限チェックしておきたい周辺環境

結論から言いますと、下記の4つに大別されます。

  • 電車やバスなどの交通
  • 生活上で欠かせないスーパー等の施設
  • 住環境に影響を及ぼす嫌悪施設
  • 災害が起きた際にリスクがある区域か
  • 地形

順番に解説していきます。

交通

交通は最も欠かせない部分です。通勤・通学までの時間はもちろんのこと、混雑状況、通勤するために要する費用なども必ず確認しましょう。

また、車通勤がメインの方でも関係ないと考えず、万が一の場合に備えて最初に調べておくのが大切です。

〜電車〜

  • 最寄り駅までの徒歩、自転車、自動車でのどのくらいかかるのか?
  • 駐輪場はあるのか?
  • 混雑しているピークの時間帯は何時か?
  • 定期代はどのくらいかかるか?
  • 始発や終電の時間は何時か?(土日祝日も確認)

〜バス〜

  • バス停までの徒歩でどのくらいかかるか?
  • バスの本数や始発、終バスの時間帯
  • 市で出しているようなバスのサービスはあるのか?(利用条件についても確認)
  • 定期代はどのくらいかかるのか?
  • 混雑しているピーク時間は何時か?

〜車〜

  • 所要時間はどのくらいか?
  • 通勤する際に利用する道路の混雑状況はどうか?
  • 高速道路やICが利用しやすいか?

曜日や時間を変えて、実際にストップウォッチで計測してみよう

生活上で欠かせない施設

具体的には学校・保育園・スーパー・コンビニ・銀行・郵便局・市役所・病院などが挙げられます。

どれも欠かせない施設なので、上記の施設がバランスよい距離にある土地であれば、立地が良いと言えるでしょう。

スーパー・銀行・コンビニ・郵便局・市役所は所要時間がどのくらいかかるのか確認すれば問題ありませんが、学校や保育園、病院については深堀りして調べることをお勧めします。

〜保育園〜

  • 延長保育に対応しているのか
  • 入園の空き状況
  • 費用

〜学校〜

  • 学区はどうなっているのか?
  • 通学距離はどのくらいか?
  • 通学ルートは危なくないか?通学班は構成されているか?
  • 街灯などの設備はあるのか?

〜病院〜

  • 夜間や休日でも診療してくれる施設が近くにあるか?

住環境について

土地選びの際はどうしても交通の利便や施設のアクセスにフォーカスして考えがちですが、意外と盲点なのが住環境です。住んでから気づくことも多いため、可能な限り未然に防げるようにチェックポイントを解説します。

  • 嫌悪施設
  • 災害区域
  • 前面道路の状況
  • 防犯面
  • 地形

嫌悪施設

〜嫌悪施設〜

具体例として、ゴミ焼却場や火葬場、墓地、高圧線鉄塔、下水処理場、ガソリンスタンド等が挙げられます。

騒音や振動、悪臭、不快感をもたらすことが想定されるものが該当しております。

また、嫌悪施設が近くにある場合は地価への影響があるため、重要事項による説明が必要ですが、嫌悪施設の「定義」や嫌悪施設までの距離や影響の度合いによる基準等も細かい定めがありません。

そのため、買主が実際に現地を見て確認することが大事です。現況で特に嫌悪施設がない場合でも、これからの建築計画でそのような予定がないのか?という部分までチェックできるとトラブルになりにくいでしょう。

特に高圧線下では、状況により建築制限や権利設定などが関わってくるため、必ず確認しましょう。

これは私の経験談ですが、高圧線鉄塔については圧迫感や眺望、健康被害が気になる人と全く気にしない人で意見が賛否両論です。気にしない方であれば、お得な物件に化けることもあるでしょう。

過去の土地利用についても必ず調べよう。場合によっては過去にガソリンスタンドがあって土壌汚染されているような可能性も。閉鎖簿謄本で過去の用途について調べられるよ。

災害区域

〜災害区域〜

具体的に言うと、津波・高潮・洪水・土砂災害・内水・液状化現象等が挙げられます。

近年は異常気象が多いことから、過去に災害履歴がなくても天候や季節などの要因で災害が起こる可能性があります。

そのため、できるだけ晴天や雨天時など曜日や時間を変えて実際に現地に出向いてみるのをお勧めします。

また簡易的な判断として、土地の名称に「水・田・川・池・湖・沼」などの水を連想させるような文字が含まれているかチェックしましょう。もし含まれている場合は軟弱地盤、液状化警戒区域の可能性が考えられます。

ハザードマップは市のホームページに記載されているから確認しよう

前面道路の状況

これは具体的に交通量や幅員・接道を確認すると良いです。

チェック項目は下記の通りです。

〜前面道路の状況〜

  • 車の出入りはしやすいか?出入りの際の視界は良好か?
  • 利用者はどのくらいか?
  • 夜間の道路利用状況はどうか?
  • トラック等の大型車両は通るか?(騒音や振動に大きく影響します)
  • 法定速度はどうか?(騒音に影響します)
  • 舗装状況はどうか?
  • 幅員は4m以上あるか?(セットバックの必要性はないか?)
  • 接道義務を満たしているか?(道路に2m以上接しているか?)

この中でも判断が難しいのが、騒音・振動関係です。トラック等の大型車両が通るような大通り沿いに家を建てる場合は、夜間時の道路の利用状況も調べてみることをお勧めします。

これは経験談なのですが、実際に住んでいた目の前の前面道路が昼夜問わずトラックがガンガン走るような場所でした。

私自身は賃貸暮らしで永住ではないため、大して影響は感じないのですが、そのような場所で一生過ごすとなると、やはり話が変わってきます。

道路状況についても平日や土日、昼夜等で時間を分けて実際に現地を見るのが良いでしょう。

幅員が大きい道路(国道沿いなど)では水道の給排水工事が大掛かりになってしまうため、高コストになってしまう可能性があるから注意

防犯面

基本的には建物による防犯対策がメインですが、土地を選定する段階でも確認できる箇所があるため、お伝えします。

  • 周辺に街灯などの明かりはあるか?
  • 周囲からの見通しは良好か?(見通しが悪いほど危ない)
  • 自治会によるパトロール等は行われているか?

地形

最後は地形についてです。

地形を見る際は整形地かどうかを確認しましょう。

整形地とは長方形や正方形のように形が整っているような土地のことを指します。

逆に不整形地とは下記のような形を指します。

  • 旗竿地
  • 三角形
  • L字
  • 崖地
  • 高低差のある土地
  • 傾斜地

これらの土地は一般的に考えると、「建築コストがかかる・不便」等のデメリットがあるため、地価が低い場合が多いです。

地形については誰でも判断ができる部分かと思います。

素人の方がイメージしずらいのは高低差のある土地です。

例えば、前面道路よりも敷地の方が低い場合は「盛土」と言って、敷地から道路にかけて勾配をつけるために造成工事をする必要があります。

これは雨天時の雨水を敷地外へ排出するために必ずしなければなりません。

敷地面積にもよりますが、造成費用だけで数十万はかかってきます。また、擁壁の設置を要するような高低差がある土地では擁壁工事だけで数百万は普通にかかりますので、土地の価格だけを見て安易に判断するのは控えましょう。

境界杭が全箇所にしっかり埋まっているかもチェックしよう。また既存の境界ブロックがある場合は芯積みか内積みかも忘れずに確認しよう。

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